先日04/12に、UX領域におけるプロフェッショナル集団「THE GUILD」さんが主催した、ユーザーインタビュー設計に関する勉強会に参加してきました。
僕もUXを踏まえたサービス・プロダクト開発を現場で実践していきたい、そのためにまずはユーザーの声を聴くことからはじめよう、とは思うものの、具体的にどのように進めていくべきか悩んでいたので本当に学びの多い機会となりました。
当イベントはかなりの倍率だったので、正直絶対に外れるだろうと思っていたのですが、まさかの当選。とても実践的で具体的、かつUXに関する視野を広げてくれるノウハウが満載でしたので、その様子をレポートさせていただきますね。
Contents
イベント概要
イベントは、六本木にあるDMM本社オフィスにて開催。テーマは「ユーザーインタビュー設計」について。まずユーザーの声を拾い上げ、得られたインサイトを元にサービス、プロダクトを改善していくプロセスにおいて、ユーザーインタビューは重要な要素となります。
僕は普段サービスのコンテンツ・機能の施策について企画やディレクションを担当しているのですが、つい事業者目線で施策を立てがちで、いかにユーザー目線の機能・コンテンツをつくっていくか、課題意識を持っていました。
ユーザー目線のサービスをつくるには、まずユーザーの声を聞きに行かねばなりません。その具体的な手法やプロセス、いかに組織に導入していくかについて悩んでいるディレクターは、ユーザー中心のUXの重要性が叫ばれる昨今多いのではないかと思います。
今回の勉強会では、ユーザーインタビューの方法や考え方について、UXについて知識が豊富なスピーカーの方に共有いただきました。コンテンツは以下の構成でした。
ユーザー中心組織論
・西部 渉 / 伊藤麻紀子(DMM.comラボ)
「ユーザーの声を聞きたい」環境を整える 〜最小単位とプラス1〜
・登壇者3名 + 深津貴之(THE GUILD)
質疑応答・パネルディスカッション
イベントのハッシュ・タグ
#theguild_study
それぞれの内容をざっとまとめたので、1つ1つ見ていきましょう!
金子 剛(弁護士ドットコム株式会社) ユーザー中心組織論
まず最初に登壇したのは、弁護士ドットコムでデザイン・マネージャーをされている金子氏。テーマは「インタビューを軸としたユーザー中心な組織」について。
インタビューをする上で一番大切なのは共感
そもそもインタビューをする上で欠かせないのは、「共感すること」であると金子氏は語ります。注意すべきは共感と同情の違い。
・相手に入り込む
・同じ苦しみを感じる
・相手のことを想像する
同情
・自分だったら〜
・苦しみを客観視する
・自分の実体験から類推
自分視点の同情ではなく、相手の視点に立って共感することで初めて、相手(ユーザー)と同じ視点に立ってプロダクトを評価することができます。共感するためには、相手をより深く知ることが不可欠。そのためには、
・ユーザーは何に価値を感じる?
・どんな境遇か?
・なぜそう思うのか?
など、ユーザーの背景や価値観を知る必要があります。
なぜ組織で考えないといけないのか?インタビューだけでは成し遂げられないこと
ユーザーインタビューを推進するということは「価値判断をユーザー軸に移すこと」だと金子氏は指摘します。
「群盲象を評す」という言葉が指摘する通り、同じものでも、人それぞれの触り方や見ているところなどによって異なるものに写ります。それはサービス、プロダクトを運営する組織でも同じことが言えます。
プロダクトの価値判断は多元的で、見る人の役職や職種などによってもバラバラ。別の視点で評価すると、個人の視点・世界観でそれぞれ判断してしまいます。
・ビジョンに即しているか?
・市場はあるか?
・技術的にモダンか?
などなど、人によってプロダクトを評価する軸が異なります。このそれぞれのメンバーの指標や多元的な視点を、ユーザー中心に設計し直し、組織で同じ目線を持った上でプロダクトを評価していくことが重要だと、金子氏は強調していました。
つまりそれは組織の1人ひとりのメンバーが、ユーザーと同じ視点に立って、ユーザー目線でプロダクトを評価していく、という価値判断の統一を意味します。
その価値判断をユーザー中心にする「ユーザー中心組織」になるためには以下の大切な5つのポイントがあるとのこと。
(1) ビジョン
(2) ビジネスモデル
(3) カルチャー
(4) チーム
(5) プロセス
それぞれ具体的に見ていきましょう!
(1) ビジョン
まずユーザー中心組織として、同じ視点を持つために必要なのは、組織のビジョンについてそれが誰のためのビジョンなのかしっかりと理解し、チームで共通の認識を持つことが重要です。そもそもインタビューの守備範囲は、
・使命:なぜ?
・目標:何を?
・手法:どう
の内、目標と手法を設計するまで。なぜその事業・サービスを作るのか、モチベーションやサービスへの想いの元となるビジョンについては、ユーザーに聞いても出てこない部分です。なぜそのサービスを作るのか、それはビジョンでしか判断できないのです。
ビジョンを可視化するにはいつくかの手法が有効とのことです。
我々はなぜここにいるのか?
・エレベーターピッチ
サービス名、対象顧客、などサービスについてシンプルに整理
またユーザー中心な組織のためにビジョンを明確にするには、「それは誰のための使命か?」を具体的に明らかにしていくことも重要です。そのためにはプロトペルソナを作ります。
・どんな想い
・誰に?
・どうなって欲しい
などを整理し、またプロトペルソナの作成にはデザイナーだけでなく、ビジョンオーナー(創業者)を巻き込むことも大切とのことです。
(2) ビジネスモデル
ユーザー中心組織のポイントとして、ユーザー価値とビジネスが連動していることが2つ目に重要な点。
リーンキャンバスモデルでビジネスモデル全体を俯瞰し、
・提供する価値
・ユーザー
・KPI
がそれぞれひとつなぎになっているか、を確認していきましょう。またここでも、デザイナーだけで確認を行うのではなく、ビジネスモデルの作成にはビジネスエキスパートを巻き込み意見を聞くことが重要です。
(3) カルチャー
ユーザー中心組織に必要な3つ目のポイントは、経験主義に基づき、自ら行動を起すこと。理性主義ではなく、経験主義的な発想を持ち、行動することが大切。
・分からないことは考える
・原点から導く
・学力テスト
・前提から知識をえる
・ウォーターフォール
■ 経験主義
・分からないことは試す
・経験から導く
・科学実験
・行動から知見を得る
・アジャイル・リーン
変化の激しい現在では、サービス開発は常に不確実性との戦いです。コントロールできず予測できないことをずっと考えても仕方がなく、とにかくやってみないことには分からないことが多いです。
考えても分からないのであれば、とにかくインタビューし事実を集める、「経験主義的なカルチャー」を生み出すことがユーザー中心組織では重要な点となります。
そのカルチャーはどう育むのか、については、デレク・シヴァーズの社会運動をどう起すのか、についての動画が参考になるとのこと。
最初のフォロワーをリーダーに変え、いかにムーブメントを起こしていくか、分かりやすく解説されています。大切なのはインタビューの精度ではなく、聞く文化。まずは失敗を恐れず完璧でなくていいので、、自ら行動し、2人目のフォロワーを見つけて経験主義的なカルチャーを広めていきましょう。
(4) チーム
ユーザー中心組織に必要なポイントの4つ目は、多様性のあるメンバーを集め、多様な職種の人でインタビューすること。
メンバーの多様性とイノベーションの価値には相関関係があり、多様性がないと、失敗しないが、イノベーションを起す確率が減るとのことです。ですので、イノベーションを起すならば、コミュニケーションコストがかかりますが、チームは多様性を持つメンバーで構成されるべきです。
ですので、ユーザーインタビューを行う際も、多様な職種のメンバーで直接インタビューするチームを目指すべきであると、金子氏は指摘します。
またリサーチ会社より、リサーチャーの仲間を集めるできで、プロダクトの創り手が直接インタビューすることが大切です。実体験ではない場合、共感の解像度が落ちるため、深いインサイトを得にくいとのこと。
(5) プロセス
ユーザー中心組織に必要なポイントの5つ目は、成長する組織をつくるために、学習のプロセスを作ること。以下にプロセスをまとめました。
ユーザーについて知らないことを理解する
事実と推測(事実ではない)の分離
まず既知の知見を整理する
インタビューと同時にインプットが大事
→ 社内のエキスパート
→ 社外のエキスパート
エキスパートとは?
既に長年その問題に携わっている人
ユーザーに日常的に触れ合っている人
対象の問題に詳しい人
間接的にユーザーを観察している人:データ分析をしている人
実験により事実を増やして成長するチームへ
実験(インタビュー)> 発見 > 事実 > 推測 > 実験 >
のプロセスを繰り返す中で、チームとして成長していく
また推測ではなく、事実で判断することが重要
またインタビューで得た熱量は組織に宿る、と金子氏は言います。インタビューをイベントで終わりにするのではなく、しっかり組織に根付かせること。そしてインタビューすることがいいことなのではなく、ユーザー中心組織であることを常に意識しておくべきです。
参考資料
今回のプレゼンに当たって、以下の書籍を参考にしたとのことです。ぜひチェックしておきたいところ。
・クリエイティブマインドセット
・エンジニアリング組織論への招待
・デザイン思考でゼロから1を作り出す
・リーンUX
西部 渉 / 伊藤麻紀子(DMM.comラボ) 「ユーザーの声を聞きたい」環境を整える
続いては、DMMのUXデザインチームの方に登壇いただきました。テーマは、ユーザーインタビューの相談が来てから完了までのプロセスについて。
ユーザーインタビューを実際に行う上で、必要なステップを4つに分けて解説していただきました。
登壇者note
「『ユーザーの声を聞きたい』環境を整える 〜最小単位とプラス1〜」の振り返り
登壇者スライド
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STEP1 仮説から問いを立てる
まずユーザーインタビューで重要なのは、目的を明確にすること。そのためには仮説から、「問い」を導き出すことだと西部氏は述べます。
仮説:ユーザーが離脱しているページは◯◯で、理由は◯◯
問い:ユーザーが離脱している場所と原因はなんだろう
仮説に対して、「問い」はよりその抽象度を上げていきます。定性データを取りに行く前に、一度定量データを見直し、その上でユーザーインタビューで明らかにしたい問いをはっきりさせておくことが重要です。
STEP2 問いベースでインタビューを設計する
ユーザーインタビューに関しては、「問い」起点で全体の流れや質問を設計する必要があります。質問の内容や仕方によっては、バイアスをかけてしまい、課題の根本を探れないことがあるので、注意深く行うことが大切です。
× 普段レコメンド機能は使いますか?、◯◯な機能をつかいますか?
◎ 普段どのように商品を探しますか?
ユーザーインタビューにおいては、機能ベースの聞き方はNGとのこと。機能を限定して質問してしまうと、それにユーザーが引っ張られてしまします。抽象度を上げた「問い」レベルで質問することが大切です。
またユーザーインタビューの工数・実施時間については、下記の様な流れと工数を想定できます。インタビューする人数については、5人やればだいたいの課題が見えてくるとのこと。
・タスク設計・準備とパイロット時間 3h
・リクルーティング(法務、経理✓):社外(アンケート)6H
・調査:3H ×5人 =15h
・まとめ・会意だし: 2h×5h= 10h
・分析、施策出し:3h
STEP3 実査
実際にインタビューをする際に重要なポイントをいくつか紹介していただきました。
例:対象に合わせ、話し相手としてぴったりな相手になりきる
・おかん、おばあちゃん
・でし
・頼れない先輩 etc
例:時事ネタを用意しておく
相手の話題と共通するもので打ち解ける
・数秒待つ
・話の途中であれば、「何か気になることございますか?」など伺う
「なんで」を5回繰り返す
※尋問のようにならないように注意!!
なぜなぜと聞きたい気持ちだけで行くと、尋問のようになってしまいがち
柔かい質問と深ぼる質問を織り交ぜるのがポイント
和ませながら会話する
■ そのユーザーに興味を持つことが一番大事
だからこそ、事前にインプットしておくことが大事。話を深ぼるためにも
例:「問題なく、購入できましたか?」
Aさん「はい、できました。」
Bさん「ん〜 はい、できました」
反応の速さ、声の大きさ、目や口の開き方
最初の数分で相手の表情・しぐさのベースラインを知り、そこからどれくらい反応がでているか?どれが驚いた時の表情か?を判定できるようにしておく
※ ページを新しく開いたときに、手が止まると、想定された内容と違う場合が多いなど
Webカメラ、マイクをPCに繋いで記録を取っているとのこと
STEP4 分析
分析していく際に重要なのは下記の要素であるとのこと。
「ここのボタンは赤がいい」→ なぜ赤がいいのか?できるだけインタビュー中に理由を聞く
ユーザーの心理調査が目的の場合は、上位下位関係分析法
・結果・施策だけでよい事業部の場合
→ 「ユーザーインタビューのレポート+施策」
・インタビューの結果を現場で一緒に分析したい事業部の場合
→「社員限定アカウント、でインタビューの様子も共有」
など共有先のスタンスによって開示する情報を調整
カスタマージャーにマップなどで、ユーザーのペイポイント(離脱ポイントなど)を洗い出し、そこへの施策を出す
→ 「全方位的に施策を出す」のではなく、ピンポイントで課題に対する施策を打つことが大切
DMM UXグループが工夫していること
最後にDMMのUXグループがユーザーインタビューで特に心がけていることをプラスで教えていただきました。
TV会議システムを使って会議室を中継して実施する
参加できない人へも内容を共有
そのメリット
・別室の参加者の質問をスプレッドシートを利用して、リアルタイムで別室から参加者の質問を受け付ける
・別室の参加者にインタビューメモをリアルタイムで書いてもらえ、インタビュアーはインタビューに集中できる
「都合のいい時間に来て下さい!」と気軽に来てもらうことを促す
できる限り意思決定力のある人を巻き込んだ方が、全てがスピーディに周るので、来てもらえる工夫をすることも大切
いいインタビュアーになるには、回数が必要なので、最初は社内でひたすら練習してみる
→ タスクの設計、質問事項の見直しなどにもなる
→ またインタビューをする側とされる側のどっちも練習で体感しておくこともよりよりインタビューに繋がる
Q&Aタイム 登壇者3名 + 深津貴之(THE GUILD) 質疑応答・パネルディスカッション
最後に、登壇者とTHE GUILD代表の深津さんを交えて参加者からの質疑応答とパネルディスカッションを行いまいした。挙げられた質問ごとに回答をまとめてみました。
質問1 候補者ってどう探すの?どう選ぶの?
・機縁法(知り合いからリサーチ)
・まずは隣の人に聞く
それで解決しないなら、社内の人に
それでだけなら関係者、取引先など
それでもだめなら、マクロミルや楽天リサーチなどリサーチ会社に依頼
・Twitterでハイヤリング
(ビールおごるからアンケートに答えて・・)
・DMMの場合はアンケートを全社に流すことも
(社員数が多いので、社内で対象ユーザーが見つかることも多い)
質問2 誘導せずに率直な意見を聞くための方法は?
・謝礼を最初に渡す
(先に渡せば、もう何でもいってもいいや!となり本音を言ってくれることも)
・サービスの悪口をいって一緒に盛り上がる
・自分たちがやったサービスではないのですが、インタビューをやることになりまして・・
→ だから正直に不満などを言ってOKです、とユーザーに伝える
・インタビューの後に色々聞ける
テストが終わった後だと本音を言いやすい
一番最後にエレベーターで別れるまでに色々聞く!
・他の人はどうですか?などと聞く
質問3 発言に潜むインサイトをどのように汲み取っているか?
・そもそも1回のインタビューだけで、正しいインサイトなど出ない!
→ 色々分解して、ここだけは確からしい、という仮説
→ プロダクトといったりきたりしながら、インサイトを深めていく!
・スプレッドシートにセルを4つに分け、どこから来たインサイトかを分類し、保存しておく
ユーザーの発言
ユーザーの行動
観察者が思ったこと
仮説
など
質問4 インタビュー後にどうやってデータを管理していますか?
データを集めた後に、どう整理して、やることを決めるまでの工程について。
・テスト結果のサマリーを全体にも共有(ダイジェスト)
こういつ系統の発言をした人は4人中何人いたか
このページのこの辺りが離脱しそうな人が何人いた
など
・言ったこととやったことを分ける
・クライアントワークの場合
ユーザー情報は顧客が持つ
調査会社などにデータ管理を任す
質問5 インタビューの設計をどのように改善していったか?失敗談など
→ 他の人のインタビューの様子を観察して、自分のやり方の改善していく
→ 自分がインタビューを受ける側になると、ユーザーの気持ちが分かる
・大掛かりなインタビュー設計にしない
まず小さく始め、ユーザーにヒアリングしながら改善していく
・時間や工数をいかに削減していくか?
しかし本質的なところは外さないように設計
・アイスブレイクができなかった・・
関係ない発言をする人は、いっそのこと諦めて、別のタイミングで聞くなど
・みんな集まって、言いたい放題いってもらえる空気を作る
お茶会、お酒を飲みながら・・・などテスト形態を工夫する
質問6 文化としてユーザーインタビューが根ざしていない組織でのはじめ方
最初にちゃんとしたやり方をやりすぎない
とにかくまずやってみて、かつできるだけコンパクトにやる
Twitterやメールでのアンケートなどもあり
・まずが身近なところでやってみる
隣の人に聞く、駅で聞くなど、身近な人にリーンでやっていく
・同じ課題を組織全体で共有する
→ ここを改善するためにインタビューしよう
→ それが組織に根付く
・ユーザー目線でサービスをつくることのメリットを訴える
・ユーザーの声と動画にまとめて、クレームを意思決定層に伝える
・その他意見
インタビューの目的によってもやるべきかどうかは異なる
→ ユーザー中心でなくても良いサービスを創れる組織もあるので、無理に根付かせなくてもいい
→ 手法が目的化しないように注意する
質問7 どうすればインタビューが成功しているといえるのか?
得られたインサイトをプロダクトに反映して、改善できてれば成功
・チームとしての成功
あれもこれも聞きたかった・・と関係者から声が出てきた時に、次回へ繋がるアクションになる
組織にユーザー目線のカルチャーが根付けばそれは成功!
困ったときにユーザーに聞く文化、ユーザーインタビューに関わりたいと思う人が増えれば成功
ユーザーに聞かないと気持ち悪い・・というほど
質問8 BtoB向けのサービスや専門家を対象としたインタビューで気をつけるべき点は?
→ 深掘りできるように
・社内に専門家はいないかまず確認
→ 対象領域について社内のナレッジをまず活かす。
・どの意思決定層が何を欲しがっているか?
→ BTOBは登場人物が多すぎて、だれがユーザーなのか分からない
→ 誰がユーザーなのか意識しないと、ユーザー向けにやっているのに、実はユーザーが違う、ということになりかねない
→ 登場人物を整理!どこまでの課題を解決しないといけないか、インタビュー前に整理すべき
質問9 ずばり報酬はどうしていますか?また渡すタイミングは?
→ ユーザーに合わせて、一番欲しがる形態でやる
・サービスごとに分ける
サービスのポイント(ゲームサービスなどであれば)
商品券
・迷ったら経理・財務の人に聞いて、一番いい方法を
契約面では法務の人に相談
・安い金額だと出てこないユーザー層もいるかもしれない
特に専門生の高い人にインタビューする場合は金額を上げる
・金銭面ではないものでも。
既存サービスのユーザーだと、金銭だけでなく、満足してくれるもの(そのサービスを好きでやってくれる)
テストの経過報告をする
お洒落なカフェを場所に設定する
いいお菓子を出す
など来てよかったなと思って貰える環境づくりをする
質問10 ユーザーインタビューにおける適切な頻度は?
・自分たちの仮説精度がどれくらい高いのか?
→ 初期のスタートアップなど、仮説の精度が低い場合は頻度高くやる
→ 逆にナレッジがたまり、データを見てある程度インサイトが分かるのであれば、少ない頻度で回すなど
・スクラムチームではMVPが出来たタイミング
グループインタビューをしたい時、1on1で深掘りタイミングなど柔軟になっていくべき
・事業会社であれば、毎月1回くらいのペースでやれれば理想的
だがリソースにもよるので、できる時にがっつりする
・本質的にはユーザーからインサイトを引きだすことが重要
→ インタビュー形式にこだわらず、コミュニケーションをメッセージなどで継続的に広く取るなど
その他の質疑応答メモ
→患者「腹痛い」→いきなり処方するのではなく、なぜか、色々検査をする
・自分でサービスをしっかり使ってみる
・リサーチの順番を変えて、難易度を軽くする
>定量データを元に課題点を抽出し、それに対しインタビューでインサイトを深ぼる
・環境面はどうしているのか?
→ 同時にインタビューする人数はディレクターとUXデザイナー、ユーザー1人
→ フォーマルにならないように私服で、カフェっぽいとことでやる
→ サービスのファンであれば、会社に来れることもメリットになるのでオフィスでやるなど
・駅で声かける方法
1. 腕章をつける、バインダーをもつ・・
TVの該当インタビューの雰囲気
ポストイットもつ
2. ペアでいく。男性と女性
3. 道がわからない人を装う
4. 行列やタバコ部屋なら逃げられない
5. パブなどでお酒をおごりながらやる
まとめ
ここまでイベントでの様子をまとめていきましたが、いかがでしたでしょうか?
最後に個人的に今回のイベントで重要だなと思った点をまとめてみました。
インタビューを推進するということ = 価値判断をユーザー軸に移すこと
そのためはビジョン、ビジネスモデル、カルチャー、チーム、プロセスの5つの視点が重要
(2) とにかく完璧でなくていいので一人でミニマムで始め、プロセスを回し、会社全体にユーザー中心の思考を広めていくべし。わからなければ、とにかくユーザーに聴くべし
(3) ユーザー軸にするために最も重要なのは「共感」
(4) ユーザーインタビューで推測ではなく「事実」を集めていくことが大切
(5) 得られた結果はどこから来たインサイトかを分類し、いつでも振り返りができるように保存しておく
(6) インタビューだけで成果を判断しない。インサイトを元に改善するまでを意識
本記事がUX、ユーザーインタビューで悩んでいる方の参考に少しでもなりましたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました!