キャリアの最初の入口となる新卒。どこに行くかは大きくその後のキャリアを左右するので、色々と悩みますよね。
こういう感じで色々と考えることが多いでしょう。僕も新卒の時に相当悩んだことを覚えています。
僕自身のケースでは、学生中に1年間インターンをしていたスタートアップにそのまま新卒入社した感じです。当時は設立2年目で、僕含めて7〜8名くらいの規模感でした。
新卒では日系大手のWeb系企業、外資のITメーカー、ベトナムにあるWeb系ベンチャー企業、スタートアップの4つの選択肢があったのですが、ビジョンに共感でき、大きくチャレンジできるスタートアップ企業を選びました。
スタートアップはめちゃくちゃ楽しいと同時になかなかしんどいことも多く、それを交互にずっと繰り返すジェットコースターみたいなイメージです。
ということで本記事では、新卒でスタートアップに就職するかどうか迷っている方に向けて、スタートアップに向いている人、向いていない人の特徴をまとめていこうかなと思います。
スタートアップにも色々なフェーズがあるかと思いますが、ここではアーリーステージ、設立数年以内・従業員人数も10人以下で、まだ事業も組織もカオスな状態を想定しています。
また完全に僕の独断と偏見であるため、あくまで一つの参考としていただけますと幸いです。
新卒でスタートアップ就職に向いていない人の特徴
スタートアップは向いている人、向いていない人がかなりハッキリ分かれるかなと思います。
同時にほとんどの人はスタートアップに向いていない気がします。10人〜20人いたら1人いるのかな……っていうイメージです。
入社すればあとは何とかなる場合もありますが、向いていないのにスタートアップを選択すると、会社も本人も辛いだけです。
一回しかない貴重な新卒のチャンスですし、よく考えて選択するとよいかなと思います。
ということでまずは向いていない人の特徴から、11個まとめて紹介いたします。
あくまで僕個人の意見ですし現段階の経験値でしか言えないのですが、ぴったり当てはまる項目が何個もある場合は、改めてご自身で考えてみるきっかけになれば幸いです。
- 1. 勝てるスタートアップに入ろうとしている人
- 2. 会社のビジョンやミッションに共感していない人
- 3. 自分で学べない人、主体的に仕事ができない人
- 4. 批判ばかりの正論マン・マイナス思考な人
- 5. 数カ月後に会社がヤバい、と言われた時に絶望から戻れない人
- 6. 何度も訪れる壁を、乗り越え続けられそうにない人
- 7. 自分さえ良ければ良く、チームに貢献しない人
- 8. 人がどんどん入れ替わることに抵抗がある人
- 9. カッコいい仕事をしたい人
- 10. 目的意識が不明確な人
- 11. 給与や福利厚生にこだわりがある人
1. 勝てるスタートアップに入ろうとしている人
何だかいきなり申し訳ないですが、もし成功角度の高そうなスタートアップを選んでそこに就職しようとしているのであれば、そもそもスタートアップに向いていない可能性があります。
それってつまり、自分がいなくても会社や社内の誰かが勝たせてくれるみたいな願望が根底にあるんじゃないかと思います。
就職後にもし勝てる見込みが見えなくなってきたらどうするつもりなのでしょうか。そこで耐えられるなら良いですが、そうでない人の方が多いはず。
スタートアップでは例えどんな環境下や逆境でも諦めず、「自分が」事業を成長させ成功に貢献する、という気概やマインドが必須です。
例え今は力不足だったとしてもOKです。ですが前提にそうしたマインドがないのであれば、無難にメガベンチャーとか大手に行くほうが良いです。
そもそもそのスタートアップが勝てるかどうかは、目の肥えた投資家さんでさえも外れるので、一般的な新卒生が目利きするのはかなり難しいです。
2. 会社のビジョンやミッションに共感していない人
上記の項目と関連しますが、入社しようとしている会社が実現したいビジョンやミッションに共感していない場合は、黄色信号の可能性があります。
個人的にはスタートアップが成功しそうか否かよりも、自分がそのスタートアップの目指すビジョンやミッションに共感し、その実現を本気で目指そうと思っているかどうかの方が重要なのかなと思います。
辛いことや困難なことがあった時に、ビジョンやミッションを信じていればそこを依り代に耐えることができます。しかしそこのベースがない場合、その困難を前に立ち行かなくなることも。
入社しようとしている会社のビジョンや方向性に、本気で熱中している自分がいるのか、胸に手を当てて考えてみて欲しいです。
3. 自分で学べない人、主体的に仕事ができない人
自分で主体的にスキルを学んだり、仕事を率先してできない場合もスタートアップは特に厳しいかと思います。教えられないと動けない指示待ちな人がスタートアップに来ると、かなり辛いと思います。
基本的に多くのスタートアップ企業、特に創業間もない場合は業務のオペレーションは何も固まっていないし、マニュアルもないです。また仕事のことなんて誰も教えてくれません。みんなマルチタスクで忙しので。
自分で課題や仕事を見つけて、主体的に仕事を創り出し、必要な知識やスキルのインプットは自分でしていく必要があります。
4. 批判ばかりの正論マン・マイナス思考な人
事業を伸ばすために、時に批判的な目線を持つことはもちろん大切です。
しかし批判ばかりで代案がなかったり、正論ばかりで改善しようとする動きを自ら起こせない人は、なかなか白い目で見られることになるかと思います。
正論(もしくは正論っぽい意見)はたしかに正しく物事の核心をついていて、反論するのに困ることも多いです。
しかしその通りに現実的に実行できるのか、具体的な代案は何かなどが抜け落ちていたり、そもそも正論だけでは周りの人は動きません。
批判や正論ばかりの人は、ただただチームのモチベーションを下げることになるので、正直スタートアップに来ない方が良いです。
またマイナス思考な人も、ハードなことが多い環境で本人のメンタルがやられるばかりか、周囲の士気にとってもマイナスになるので向いていないと思います。
5. 数カ月後に会社がヤバい、と言われた時に絶望から戻れない人
数カ月後に会社が本当にヤバいという局面の時に、絶望してずっと何も考えられなくなる人はスタートアップに行くのは辞めましょう。
スタートアップはちょっとした環境変化でコロッといってしまうので、そういうことがあっても大丈夫ですか?それも、同じような危機が何度もあっても大丈夫ですか?
一度絶望すると、そこから這い上がれず病んでしまう人は割と多いです。ダース・ベーダーみたいに、ダークサイドに落ちてしまうのですよね。ベテランの方でも追い込まれてしまうので、メンバーレベルなら正直不安に思わない方が無理です。
メンバーレベルでもかなりしんどいので、社長や経営陣はもっと辛いはずです。
ですがそういう状況が訪れ一度は絶望したとしても、そこから自分でモチベーションを再度上げることができる人はなんとかやっていけます。逆に言うと、そういうメンタル管理ができない人は、スタートアップは向いていないかと。
むしろ「マジか!!極限に追い込まれたほうがテンション上がる!」とか、「絶対に巻き返してやる!」と思えるメンタルやマインドがある人はスタートアップに向いていると思います。
6. 何度も訪れる壁を、乗り越え続けられそうにない人
なんとか苦労して会社がヤバい状況や、事業の売上が半減したりするのを巻き返した!と思ったのも束の間。
今後は競合が攻めてきた!やばい天災が来た!組織崩壊が!など、何度も困難が訪れます。
「立ち直してやっとこれから巻き返そうと思えていたのに、またか……。」そんな感じです。
それをずっと繰り返していくと、本当に病んでくるのですが、そういう状況でもなんとかしようと立ち上がれるイメージは持てますか?恐らくそれができない人は、スタートアップだと辛いことになるかもしれません。
7. 自分さえ良ければ良く、チームに貢献しない人
自分がやりたいことをできれば良い、自分がやりたいことしかやらない、そういうマインドの人もスタートアップには向いていない可能性が高いです。
余程のプロフェッショナルだったり、プロフェッショナルのみを集めたチームなら別なのかもしれませんが。また各々のメンバーが自分の道を極めることが、事業成長に結びついているのなら良いのかなと思います。
ですが自分のことばかりでチームや組織に貢献する意識が本当にない人は、いざとなったときに何もアクションを取れなかったり、消失したりすることも。個人の戦略としては良いのかもしれませんが……。
8. 人がどんどん入れ替わることに抵抗がある人
企業風土によるのかもしれませんが、スタートアップでは基本的にどんどん人が辞めて、どんどん新しい人が入っての循環を繰り返していきます。一気に増えたり、一気に減ったりすることも。
人間関係でそういう部分が辛いのであれば、大手企業などの方が良いかなと思います。
9. カッコいい仕事をしたい人
上述のように、スタートアップは普通に戦場みたいなところです。そして仕事もめちゃくちゃ泥臭いです。日々地道な仕事の積み重ねです。
「スタートアップ = キラキラしている」と思っている人や、企画やマーケティング、コンサルなどカッコいいことやりたい!みたいに、何となくの仕事の解像度しか持てていない人は、とりあえずそういうイメージは捨てましょう。
もちろん仕事は楽しいですが、全然キラキラしていないことも多いですし、入社後に仕事の理想とギャップに苦しむことになるかもしれません。
10. 目的意識が不明確な人
スタートアップに来る目的意識が何となくだったり、ふわっとしている人も、明確にできるまで考え直した方が良いです。
なぜ大手や中・大規模なベンチャーではなく、わざわざスタートアップに行きたいのか?そこが明確ではない人は、辛いことがあった時に心が折れてしまうかもしれません。
スタートアップに来てまで得たいことを改めて考え、具体的に整理してみると良いです。
11. 給与や福利厚生にこだわりがある人
給与面や福利厚生にこだわりがある人、重視する人はスタートアップに行くと不幸なことになる可能性が高いです。普通に大企業やメガベンチャーに行くことを推奨します。
一般的にスタートアップでは福利厚生が充実していない(というかほぼない)ことも多く、給与も大企業などと比べると低いケースが大半です。一部スター級のスタートアップでは、恵まれているところもあったりしますが……。
日系大手や外資大手、メガベンチャーに行った同期が高年収をもらっている中、そこを重視し比較しちゃうとなかなかしんどいはず。
それでも全く問題ない人、給与よりも叶えたい願望や目的がある人、もしくは個人でも稼げる人であれば大丈夫かなとは思います。
個人的には、目先の利益よりも、まずはがっつり経験値を積んで将来的にいつか回収できれば良いのかなとは思っています。
新卒でスタートアップ就職に向いている人の特徴
続いて、新卒でスタートアップ就職するのに向いている人の特徴を、7つまとめてご紹介いたします。基本的に向いていない人の真逆な感じなので、ここではさらっとご紹介していきますね。
- 1. ビジョンへ共感し、その実現を自責で考えられる人
- 2. 必要なことは自ら学び、主体的に仕事を創り出せる自走力のある人
- 3. ポジティブで建設的な議論ができる人
- 4. メンタルが強い・自己管理できる人
- 5. 自分の仕事だけではなく、組織・チームへの貢献を考えられる人
- 6. 泥臭いことも地道にできる人
- 7. 目的意識が明確な人
1. ビジョンへ共感し、その実現を自責で考えられる人
就職しようとしているスタートアップ企業のビジョンへ心の底から共感し、そのビジョンを「自分が」達成させたいと思っている人は、ぜひそこでチャレンジしてみて欲しいです。
ビジョンドリブンな人、それをエネルギーに事業成長にコミットできる人はスタートアップが向いています。
2. 必要なことは自ら学び、主体的に仕事を創り出せる自走力のある人
ビジョンを達成させるために、自ら事業や組織課題を見つけ、解決策を考えて実行できる人、つまり自分で仕事を創り出せる人はスタートアップは絶対楽しいはず。
基本的に自由に仕事を進められる環境なので、それを十分に活かせるでしょう。
また課題を解決する上で自分で必要なことを勉強したり、インプットの機会をつくれ、勝手に成長していける人もスタートアップは向いていますね。
3. ポジティブで建設的な議論ができる人
厳しい環境下でもマイナス面だけでなく、プラス面もフラットに捉えられたり、具体的にどう状況を打開するのか建設的な議論ができる人もスタートアップは向いています。
何でもかんでもプラスに捉えることが良いとは限りません。しかし如何に現状をポジティブに持っていくのかを真剣に考える人がいると、チームのモチベーションも上がりますし、そうすることでしか前に進めないので。
4. メンタルが強い・自己管理できる人
良いときも悪いときもあるのがスタートアップ。
日々色々な課題が同時多発するので、メンタルが強い人、もしくはメンタルがそこまで強くなくても、自分でメンタルやモチベーションをしっかり管理できる人はスタートアップでもやっていけると思います。
5. 自分の仕事だけではなく、組織・チームへの貢献を考えられる人
自分の仕事や成長だけではなく、チームや事業への貢献をしっかり考え行動できる人はスタートアップでも重宝されるかと。
自責にできる領域を、自分はもちろん、チーム、事業そのもの、会社全体と広げていける人は、仕事を楽しめると思いますし、スタートアップは向いているかなと思います。
6. 泥臭いことも地道にできる人
前述の通りスタートアップでは泥臭く細かい仕事も多く、それをしっかり積み上げていく必要があります。
そういうことも地道に着実にできる人は、スタートアップでも上手くやれますよ。
7. 目的意識が明確な人
スタートアップで働く目的が明確な人(例えばビジョンの実現、将来的な起業など)は向いています。
給与や福利厚生も恵まれている訳ではないので、何をそのスタートアップで得たいのか、そこがクリアであればあるほど、いざという時にも踏ん張れるからです。
【まとめ】それでもチャレンジしたいなら、新卒スタートアップ就職も検討しよう!
就職して働く前は、正直スタートアップについて具体的にイメージが沸かないことも多いでしょう。僕も新卒の時はそうでした。
ですがハッキリ言えることは、スタートアップは恐らく想像以上に辛いことが多いです。心が何度も折れます。自走できないとやっていけません。正直僕もスタートアップを舐めてました。
なので中途半端な気持ちで来ると、普通にミスマッチする可能性があります。
そうしたことを事前に分っているけど、どうしてもチャレンジしてみたい・覚悟はできているという方は、ぜひチャレンジすることをおすすめします!
自分次第で大きく成長やチャレンジできる機会をつくれますし、何より大きなビジョンの達成に向けて、不確実な環境の中でもがくのは最高にスリリングで楽しいですよ!楽しいこと・良いこともたくさんあります。
どうしても不安な方は、学生のうちに長期でインターンをして、自分がそのスタートアップに適しているかを確認してみると良いかなと思います!
- 1. ビジョンへ共感し、その実現を自責で考えられる人
- 2. 必要なことは自ら学び、主体的に仕事を創り出せる自走力のある人
- 3. ポジティブで建設的な議論ができる人
- 4. メンタルが強い・自己管理できる人
- 5. 自分の仕事だけではなく、組織・チームへの貢献を考えられる人
- 6. 泥臭いことも地道にできる人
- 7. 目的意識が明確な人